交通事故と労災保険について| 横浜で『交通事故』に強い弁護士

交通事故被害相談<span> by 弁護士法人心</span>

交通事故と労災保険について

  • 文責:所長 弁護士 湯沢和紘
  • 最終更新日:2021年6月10日

1 交通事故でも労災保険を使えることがある

通勤中や業務中に交通事故により怪我を負った場合には、従業員は、基本的に、労災保険を使うことができます。

従業員の過失割合が少ない、または、ないようなケースでは、相手方の任意保険会社が一括対応を行い、相手方の任意保険会社が医療機関に治療費全額を支払うことが多いですが、この場合でも、治療費に関して労災保険を使うことができます。

また、相手方の任意保険会社が治療費に関して一括対応を打ち切った場合であっても、主治医が症状固定や治癒と診断していないケースであれば、打ち切り後の治療費に関して労災保険を使うことができることがあります。

2 休業補償について

労災の休業補償は、給付日額が平均賃金の60%になるので、従業員に過失のない交通事故の場合には、残り40%分を相手方の任意保険会社に請求することができます。

また、上記休業補償とは別枠で、平均賃金の20%を給付日額として休業日に応じて休業特別支給金が支払われることがあります。

3 過失が生じる場合には労災保険を使った方が有利になることがある

労災保険から支払われた金額については、損害賠償金から差し引かれることになります。

もっとも、差し引かれる金額については損害項目の制限があります。

たとえば、過失割合が当方2対相手方8、治療費100万円、慰謝料100万円のケースで考えてみると、労災保険を使わずに相手方の任意保険会社が一括対応して治療費を支払った場合には、損害額合計200万円(治療費100万円+慰謝料100万円)×過失割合80%=賠償金160万円-一括対応による支払金100万円=60万円を相手方に請求することができます。

一方で、労災保険から治療費の支払いを受けた場合には、賠償金から差し引かれる金額が治療費の損害項目に制限されるため、治療費100万円×80%=80万円<労災保険から支払われた金額100万円となり、治療費はすべて差し引かれますが、慰謝料から差し引かれるべき金額は0円になります。

したがって、慰謝料100万円×80%=80万円を相手方に請求できます。

このように、従業員にも過失が生じる事故の場合には、労災保険を使うことにより、有利になることがあります。

ご不安な方は、一度、交通事故に詳しい弁護士に相談してみてはいかがでしょうか。

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